栗林すみれ(1986長野市生)のソロピアノアルバムである。
これを聴いた時にすぐ思い出したのは、キース・ジャレットのケルンコンサートが流行した時に「これはジャズか?」と友人と議論したことだ。確かにこのピアノはスウィングじゃないし、ブルースでもない。それでもインプロバイゼーションを大切にして自由にメロディーを遊んでいる音楽はジャズと言えるだろう。
1曲目の主題曲Nameless Pianoから、叙情的で美しいメロディーが続く。3曲目のBelieve,Beleft,Belowは玄人好みのESTのエスビョルン・スヴェンソンの曲だ。
クレジットにpiano,voiceとあるので、唄っているの?と思ったら、薄くスキャットが入っているだけだった。
彼女はクラシックの人ではなく、尚美学園大学ジャズ&ポップスコースの学生時代から他大学のジャズバンド等に参加して腕を磨いて来たということだ。正に誰にも似ていない、個性的でロマンティックな曲作りをするミュージシャンである。
他にトリオ作品やベースの金澤英明とのデュオ作品などもリリースされている。
これを寝室で聴くとすぐに寝てしまい、3曲目以降を聴いた覚えがない。癒されるアルバムである。
(2019録音)
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