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Spectrum 上原ひろみ


上原ひろみのソロコンサートを聴きに行った。

MC(しゃべり)はほとんどなかったが、少ない話の中で、彼女は長野へ来たのは生まれて初めてで、善光寺を参拝したこと、駅前の「みそ家」でラーメンを食べたこと、そこのお客さんの年齢層が広く、こういう人達がジャズを聴いてくれたらいいなあと思ったことなどを淡々と語り、世界を回っている割には庶民感覚だなと好感が持てた。


アルバムのジャケットと同じ衣装で登場した彼女はピアノを弾くのが嬉しくてたまらないという様子で、ピアノが好きな少女がそのまま大人になったように感じた。

アドリブではあふれ出てくるメロディーに手がついていくのがやっとという感じで、本人はもう2本位手がほしいんじゃないかな?と思う程とてもエモーショナルで素晴らしいコンサートだった。

以前は上原ひろみといえば、「メチャクチャなピアノを弾く生意気な娘」という印象を持っていたが、実際に眼にすると、真摯な姿にすっかりファンになってしまった(笑。


このアルバムSpectrumは、今回のツアーで弾いている曲のスタジオ録音で、「色彩」をテーマに緩急とりまぜた曲が楽しめる。クライマックスはRhapsody in Various Shades of Blueという曲で、ガーシュウィンのRhapsody in BlueにコルトレーンのBlue Trainとザ・フーのBehind Blue Eyesをミックスさせた22分を超える大曲だ。


ちなみに限定発売で、ボーナスディスクとして2010年のNYでのライブ盤が付いた2枚組も出ており、2枚目の方は前作のソロアルバムPlace to Beの曲で構成され、ライブのノリも楽しめてお得。


散り始めた枯葉を眺めながら。


2019録音)

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