個性の異なる二人のベーシストの共演。軽快なメロディーを弾くペデルセン(1946~2005デンマーク)と重厚なベースラインを刻むサム・ジョーンズ(1924~1981 USA)が好対照をなしている。
ベース2本、ガットギター、ドラムスという珍しいアコースティックの編成だが、これがとても上手く絡み合って独特の世界観を生み出している。
ベーシストは普通、右手の人差指と中指の2本で弦を弾くが、ペデルセンは4本使って高速のベースラインを繰り出す。オリジナルアルバムの最終曲だったLittle Trainはペデルゼンのベースがまるでギターのようにメロディーを奏でる。
このアルバムが発売され、LPレコードで買ったのが梅雨時で、雨を見ながら毎日聴いていた。そのため、伴奏で入るガットギターの音が私には雨音に聞こえる。だから、これを聴きたくなるのは決まって雨の日。
音楽というのは、それを聴いていた頃の空気感まで思い出すから面白い。
曲に雨音が混じって聞こえる、薄暗い雨の日に。
(1976録音)
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