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Earfood Roy Hargrove


ロイ・ハーグローヴ(1969~2018 USA)は10代でプロデビューし、エネルギッシュなプレイで注目を集め、ソニー・ロリンズやジャッキー・マクリーン、レイ・ブラウン他多くの巨匠とも共演。2002年には「RHファクター」というユニットを結成し、R&Bやヒップホップとの融合による新たなジャンルに取り組み、現代ジャズの旗手と呼ばれるようになる。

1997年と2002年にはグラミー賞を受賞している。

2006年にRHファクターを解散し、以降はストレートアヘッドなジャズクインテットで精力的に活動を行う。


このアルバムはR&Bの雰囲気を残しつつ、ハードバップありバラードありの楽しい内容で、ロイの艶のあるトランペットと柔らかいフリューゲルホーンの音色が、気持ちよく耳に入って来る。

デビューしたばかりの若手ピアニスト、ジェラルド・クレイトンの活きの良い演奏も素晴らしい。


13曲目にライブ音源で入っている「Bring it on home to me:悲しき叫び」はR&Bのサム・クックの作品で、ライブでもいつも演奏していたお決まりの曲。

元のアルバムはこの曲の拍手喝采で終わっているのに、日本盤CDはこの後にボーナストラックが1曲入っている。これは不必要なサービスで正に蛇足。


先日、彼の最後のヨーロッパツアーに取材したドキュメンタリー映画を見たが、人工透析を行いながらの活動だったため、とても疲れてシンドそうだった。それでも彼はステージに立ち続け、夜は若いプレーヤーとのセッションに参加してジャズの伝承に精力的に努めたという。映画の中では「移植手術を行わないのか?」という質問に「入院する時間がもったいない」と答えていた。

無理が祟って、49歳の若さで急逝してしまった。


ライブ感覚で足踏みしながら


2007録音)


試聴はこちら「悲しき叫び」→ https://www.youtube.com/watch?v=9BeAoil-f4Y

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