ゴーゴー・ペンギンは2009年イギリスのマンチェスターで結成された新世代ピアノ・トリオ。
最初に聴いた時は、クラブミュージックのようなビートラインはコンピューターの打ち込み?と思ったのだが、彼らはアコースティックでそれをやっているのだ。ライナーノーツによると、ビートのプログラミングなどをコンピューターで制作し、それを生で演奏し直すことにより、素の演奏では困難なタイミングや間を作り出しているのだという。
彼らは「自分たちはエレクトリック・バンドでもジャズ・バンドでもない」と言っているが、彼らのスタイルは、「アコースティック・エレクトロニカ・トリオ」と賞賛されている。
ピアノのクリス・イリングワースはロイヤル・ノーザン音楽大学でクラシックを学んでいることから、ラフマニノフやショパンなどの影響を受けていると述べており、確かにジャズのノリではない正調的な旋律を弾いている。ドラムとベースの作り出すシンコペーションとメロディアスなピアノとのミスマッチ感が、独特の浮遊感覚を生み出しており、これがこのトリオの魅力だ。
正直言って、一聴した時はフレーズの繰返しが多くて違和感があったが、何回か聴くうちに、この浮遊感がクセになってしまう、そんな不思議なバンドである。
ビール片手にリズムを踏んで。
(2019録音)
彼らの演奏の様子はこちらから視聴を
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