Left Alone Revisited Archie Shepp & Mal Waldron
- A列車
- 2021年4月5日
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ピアノの巨匠マル・ウォルドロン(1925~2002 USA)は、歌手のビリー・ホリデーの最後の伴奏者だった。ビリーが亡くなった後、マルがその死を悼んで1959年に制作したアルバム「Left Alone」は、彼の代表作の1枚である。
それから40年余を経て、再びビリーを偲んで「Left Alone Revisited 追憶~レフト・アローン」を制作することとなった。
今回はアーチー・シェップ(1937~ USA)とのデュオである。シェップといえばフリージャズのイメージが強いが、近年はアバンギャルド感を残しつつ渋いサックスを吹いている。彼もまたビリーの大ファンであったため、この企画が持ち上がったようだ。
アルバムはビリーの作詞したLeft Aloneをマルが朗読するところから始まり、シェップの泣かせるバラードへと続く。
アルバムを通してビリーに関係する曲が綴られていくが、40年前のアルバムのような暗さではなく、年齢を重ねた二人の落ち着いた澄んだ音色が印象的だ。ジャケットのセピア色の写真にぴったりの味のある渋いデュオ作品である。
なお、これを吹き込んだ2002年の暮れに、マルも帰らぬ人となってしまった。
(2002年録音)
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