
スイスのピアニスト、ティエリー・ラング(1956生)の最新作。20年以上共演しているベースのヘイリ・カンツィとのデュオ作品。多分、デュオは初めてではないかと思う。
ラングは流れるようなメロディーラインを優しいタッチで弾くので、ピアノの音がとてもきれいだ。そこにカンツィのアクティブなベースが付かず離れず寄り添って、安心感のあるハーモニーを作り出している。さすがに長い付き合いから生まれる呼吸だ。
2人のオリジナル曲が大半だが、その中でThe nearness of youを演奏している。この曲、デュオでやるのにピッタリの曲だと思っているのだが、9分を超える演奏で、しっとりと聴かせてくれる。
ちなみにタイトル曲のCelebrationとは、祝賀とか祝典という意味。
こんな素晴らしいアルバムなのだが、残念ながらこのCDは品切れ状態のようで、非常に手に入りづらくなっている。もうCDはわずかしか作らず、ストリーミングやダウンロード主体の時代ということなのだろうか。旧オーディオ派にとっては寂しい限りである。
静かな雨を楽しみながら。
(2018録音)
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