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doo-bop Miles Davis


マイルスのやろうとしていた事って何だろう?と改めて遺作のアルバムを聴いた。

これはマイルスがヒップホップのイージー・モー・ビーと共に録音をしていたが、製作途中でマイルスが亡くなってしまったため、多重録音により補われて、彼の死の翌年1992年に発表された。


批評家の評価はかなり否定的なものが多かったが、翌年のグラミー賞では最優秀R&Bインストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞した。

確かにリズムはどの曲も似ていて単調ではあるが、マイルスのトランペット演奏はリズムの間を行き来して楽しそうだ。


私も最初聴いた時は、「これは違うだろう」と思ったが、今聴くとラップとのコラボなど、2000年代に入ってからの現代ジャズの源流と言われているロイ・ハーグローブ(tp)のアルバムがこれによく似たテイストであり、10年も先取りしていた事に気付く。

常に最先端をめざしていたマイルスに、時代の方がついて行けていなかったと感じる。


現代ジャズの騎手といえばハーグローブやグラスパーの名前が挙がるが、もう2~3枚作っていれば、マイルスがそう呼ばれていただろう。

まさに「帝王恐るべし」である。


テキーラのショットをあおって。


1991録音)

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