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KOAN Lars Jansson

更新日:2019年4月3日


KOAN(公案)とは、禅宗において、修行者が悟りを開くための課題で、無理会話、禅問答とも言われる、終わりのない思索の修行だ。


ラーシュ・ヤンソン(1951生スウェーデン)は日本を愛しており、2011年の東日本大震災に襲われ、そこから黙々と復興に向けて歩み出していることに感銘を受け、多くの犠牲者の鎮魂のためにこのアルバムを制作したのだという。

まだまだ終わりの見えない復興への取組みを禅の修行にたとえ、挑戦を続ければやがて救われると言いたいのだろうか。そして、ジャケットの手のイラストはその時の釈迦の手だろうか?


1曲目の題名は「只管打坐(しかんたざ)」雑念を交えず、ただひたすらに背筋を伸ばして坐禅することにより、心も真っ直ぐになるという禅の教えだ。ヤンソンにしては熱のこもった演奏で、彼の思い入れが伝わって来る。


若い2人のメンバーとの掛け合いは迫力があるし、ピアノ、ベース、ドラムの音がくっきりと粒立っている。

それにしても、なんてピアノが上手いんだろう、美しい音に圧倒される。


他に音のない静かな夜に。


2012録音)


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