バンクシア・トリオは瀬川崇志(1982生・b)が、林正樹(1978生・p)、石若駿(1992生・ds)に声をかけて2017年に結成したピアノトリオ。
瀬川はバークリー音楽大学を卒業後、ニューヨークで菊地雅章に師事、その後日野皓正クインテットで6年間活動した実力者。石若は映画「BlueGiant」への音の吹込みで記憶に新しい。バンド名の由来はオーストラリアの花で、山火事などの炎に燃やされることで種子が弾けて焦土に播かれるという不思議な命のつなぎ方に魅力を感じて命名されたという。
瀬川と石若の創り出す透明感のある独特のリズムに林のピアノが乗って曲になっていく。3人の研ぎ澄まされた音の対話によるスリリングな美しさが特長である。
中でも瀬川の、時に太く、時に繊細なベースの音に耳を持っていかれる。
これは彼らの3枚目のアルバムであるが、以前の緊張感に比べてこのアルバムではメロディアスな曲も加わり、より親しみやすくなっている。
夜の雨を楽しみながら
(2022録音)
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